介護の面談記録AI、どれを選ぶ?Gemini Notebook・LINE WORKS AiNote・Notta・PLAUDを料金と安全性で比較【2026年9月版】

AIによる文字起こし、「法人プランにしたから大丈夫」と思っていても、プランを1段間違えるだけで安全利用できなくなってしまいます。

 

ここは介護の面談記録AIを選ぶとき、いちばん見落とされている点です。

 

介護事業所の業務データを扱うなら、職員個人が契約・管理するアカウントでの利用は避けるべきですが、法人・組織として管理できる契約であっても、プランによってデータの扱いが異なるため確認が必要です。

 

この記事では、ケアマネジャーの面談記録やサービス担当者会議の議事録に使われることが多い4つのツールを、安全性・実務・料金の3つの軸で比べ、介護事業所にとってのおすすめ順まで解説します。

結論

  • 1位 LINE WORKS AiNote(チームプラン以上)
  • 2位 Gemini Notebook(Google Workspace導入済みの事業所)
  • 3位 Plaud Team(訪問・電話が多い事業所)
  • 4位 Notta(ビジネスPlus以上。Web会議が多い法人向け)

会議音声をAIで処理する

エッセンシャルワーカー

研修で事業所に伺うと、面談記録まわりでは次のような声をよく聞きます。

  • 「アセスメントの面談を聞き返しながら書くと、すごく時間がかかる」
  • 「担当者会議の議事録が、結局いつも残業になる」
  • 「若い職員が、自分のスマホのアプリで録音して要約しているらしい」


最後の声が、管理者として一番こわいところではないでしょうか。

 

研修先で実際に見かけるのも、職員が個人で契約した有料アプリに面談の録音が入っているケースです。本人は。「有料版だから安全」と思っているのかもしれませんが、実際はそうでない場合も多いです。

 

介護の面談で話されるのは、病歴、心身の状態、家族関係。個人情報保護法でいう「要配慮個人情報」にあたる内容が中心です。だからこそ、ツール選びの前に「どの契約で使うか」を決める必要があります。

面談記録AIの安全性は「3つの条件」で見る

4つのルート

「それなら結局、何を見れば安全と言えるの?」ここが一番多い疑問だと思います。管理者が確認すべき条件は3つです。

①入力データがAIの学習に使われない契約か

ツール名ではなく、プラン名で決まります。同じツールでも無料・個人プランと法人プランで扱いが違うことは珍しくありません。

②事業所が管理できるアカウントか

職員が退職したとき、事業所側でデータを回収・削除できるか。個人のクレジットカードで契約したアカウントでは、これができません。

③録音から保存までの経路が事業所の管理下にあるか

録音に使うのが私物スマホなのか、事業所の端末なのか。文字起こし後の音声ファイルがどこに残るのか。見落とされやすいのがこの「途中の経路」です。

この3条件で、4ツールを順に見ていきます。

4ツールを「料金」と「安全性」で一覧比較

まずは全体像です。料金はすべて2026年9月時点の公表情報で、年間契約時の月額換算を載せています。

料金とプランの比較表

項目 LINE WORKS AiNote Gemini Notebook Notta Plaud(PLAUD NOTE)
業務で使うべきプラン チーム以上 Google Workspace(Business Starter以上) ビジネスPlus以上 Plaud Team
料金(年契約・月額換算) チーム:19,800円/月(人数無制限、税抜) Workspace料金に含む(Starter 800円/Standard 1,600円/人、税抜) 5,940円/人 約4,217円/人+本体27,500円〜(税込)
利用時間 チーム:月100時間を全員で共有 1ソース200MBまで(編集機能は限定的) 文字起こし無制限 公式で要確認
AI学習 有料プランは学習に使わない 仕事用アカウントは学習にも人間のレビューにも使わない ビジネスPlus以上で「AI学習なし」 学習に使わない(Team)
注意したい下位プラン フリーは性能向上に使われる場合あり 個人のGoogleアカウント ビジネス(2,508円)は対象外 Starter/Pro/Unlimitedは個人向け
話者分離 強い 弱い(複数人の同時発言が苦手) 強い 強い
介護向けの公的な裏づけ TAIS登録済み(補助金の要件に対応) 登録の公表なし 登録の公表なし 登録の公表なし

(出典)LINE WORKS「AiNoteの企業向けプランを徹底解説」/Google「仕事用または学校用の Google アカウントで Gemini Notebook を使用する」/Notta「プラン別機能一覧」「料金プラン」/Impress Watch「AIレコーダー『Plaud』にチーム向けプラン」


税込・税抜の表記は各社で異なります。稟議に使う場合は、必ず最新の公式価格で確認してください。

ケアマネ10名の事業所だと、年間いくらか

「1人あたりの単価だと、結局いくらかかるのか見えない」という声にお応えして、ケアマネジャー10名の居宅介護支援事業所で試算しました(年間契約、初年度)。

ツール 月額 初年度の総額 備考
LINE WORKS AiNote(チーム) 19,800円 約23.8万円 月100時間=1人10時間。足りなければ100分単位で追加(月360円)
Gemini Notebook 0円〜16,000円 0円〜約19.2万円 Workspace導入済みなら追加0円。新規はStandard想定
Plaud Team 約42,170円 約78.1万円 うち本体10台で27.5万円
Notta(ビジネスPlus) 59,400円 約71.3万円 学習オフ条件を満たす最安プランで計算

AiNoteは「人数ではなく時間で払う」料金体系のため、人数が多い事業所ほど1人あたりが安くなります。

 

逆に、面談を全件録音すると100時間は意外と早く埋まります。録音するのは初回アセスメントと担当者会議に絞る、という運用とセットで考えるのが現実的です。

4ツールの向き・不向きを率直に

運用

ここからは、メリットだけでなく弱点も並べます。礼賛記事にしないことが、比較記事の役目だと考えています。

LINE WORKS AiNote:介護事業所の「標準解」

向いている事業所

職員数が多い/補助金を使いたい/すでにLINE WORKSを使っている


2025年7月に、福祉用具情報システム(TAIS)に登録されました。令和7年度の介護テクノロジー導入支援補助金では、原則としてTAIS登録製品が補助対象の要件になっていました。

 

また1台のスマホで録った面談でも、話し手を分けやすいのが強みです。

 

企業向けプランは、SSO、IP制限、監査ログ、自動削除期間の設定(30日〜1年)まで管理者が握れます。

 

AiNoteはLINE WORKS本体を契約していなくても単体で使えます。SlackやTeamsを使っている法人でも導入の障壁は低めなので、コストが許せば第1選択肢になるでしょう。

ココに注意

フリープランは音声データが性能向上に使われる場合があると明記されています。「無料で試してから」は、実データでは絶対にやらないことが前提です。


Gemini Notebook:Workspace導入済みならオススメ

向いている事業所

Google Workspaceを全社で使っている/まず追加費用ゼロで試したい


仕事用アカウント(Business Starter以上)では、アップロードしたファイル・チャット・出力が人間のレビュアーに確認されることも、AIの改善に使われることもないとGoogleが明記しています。

 

そのためAI学習・人間によるレビューという観点では、業務利用に適した保護が提供されています。

 

また録音ファイルを入れて「支援経過の下書き」「課題の整理」をさせる用途にも強いのが特徴です。

 

ココに注意

文字起こしを台詞形式で直していく編集画面はありません。複数人が同時に話す担当者会議は、話者の区別が崩れやすいです。録音はスマホ端末で行うのが楽ですが、端末が私物スマホだと管理が難しくなります。


Plaud Team:訪問と電話が多い現場の即戦力

向いている事業所

訪問が中心/家族からの電話相談が多い


名刺サイズの録音機をスマホに貼り付けて、対面も通話もボタン一つで録音できて、ビジネス利用している方も多いのが特徴です。

 

2026年6月に提供が始まった「Plaud Team」では、管理者がメンバーの招待や端末の割り当て・再割り当てを行える用になっています。

 

また録音と文字起こしはAI学習に使わず、日本国内のデータセンター(AWS)で保管とされています。ISO/IEC 27001、SOC 2 Type IIも取得済みです。

ココに注意

本体を人数分買う初期費用と、端末の紛失リスクがあります。紛失時の報告ルートと、同期をこまめに行う運用ルールが欠かせません。また個人向けのStarter/Pro/Unlimitedで運用するのは避けてください。


Notta:Web会議が多い法人向け。ただしプラン選びが難しい

向いている事業所

オンラインの担当者会議や法人内会議が多い/PCで文字起こしを細かく直したい


文字起こしの編集画面が使いやすく、音声を聞き返しながら直す作業は4ツールの中で最も使い勝手がよいでしょう。ZoomやTeamsの会議に自動参加して記録もできます。

 

さらにISO 27001、SOC 2 Type II、HIPAAに対応しています。

ココに注意

「AI学習なし」はビジネスPlus以上です(2026年9月16日更新のヘルプ)。SSOと操作ログはエンタープライズのみ。安全性の条件をそろえると、4ツールの中で1人あたりの負担が最も重くなります。


介護事業所向けのおすすめ順

PC前でチェックする

以下は弊社が組織管理・AI学習の扱い・実務性・費用・補助制度との相性を基準に総合評価したもので、2026年9月時点のおすすめ順は次のとおりです。

第1位 LINE WORKS AiNote(チームプラン以上)

学習させない契約、事業所管理、補助金の要件(TAIS)の3つが、最も低いコストでそろいます。10名規模で年間約24万円。迷ったらここから検討してください。

第2位 Gemini Notebook(Google Workspace導入済みの事業所)

Google Workspace導入済みなら追加費用ゼロで安全な環境を試せるのが最大の強みです。ただし「録音する端末」と「文字起こしの手直し」は別に考える必要があります。要約・下書き作りの道具として位置づけるのが現実的です。

第3位 Plaud Team

訪問先での対面、家族からの電話という介護特有の場面に、最も手軽に対応できます。端末管理の規程を用意できる事業所向けです。

第4位 Notta(ビジネスPlus以上)

機能は優秀ですが、安全性の条件をそろえると割高になり、プラン表記の揺れもあります。Web会議が中心の法人本部などで検討する位置づけです。

なお、Gemini Notebookを1位にしなかったのは、安全性が劣るからではありません。Google公式の保護は4ツールの中でもトップクラスです。順位を分けたのは、録音から文字起こしの手直しまでを1つで完結できるか、という実務面の差です。

補助金と「要配慮個人情報」

補助金はTAIS登録が入口になる

介護テクノロジー導入支援事業は、都道府県ごとに実施されます。多くの県でTAISに「介護テクノロジー」として選定された機器・ソフトが対象とされており、AiNoteはこの点で有利です。

 

ただし、要件は県ごとに違います。たとえば大阪府の令和8年度事業では、居宅系に「ケアプランデータ連携システムでの連携実績」、施設系に「生産性向上の委員会の設置」が求められています。

(出典:大阪府 令和8年度介護テクノロジー導入支援事業補助金)。

 

宮崎県の令和8年度事業は、2026年7〜8月に募集が行われたので、申請を考えている事業所は次年度に向けて、所轄の県・自治体の要領を必ず確認してください。

面談の録音は要配慮個人情報のかたまり

面談や相談支援の録音には、想像以上に多くのセンシティブな情報が含まれます。たとえば、病歴、障害の有無、心身の状態、服薬、家庭環境、生活上の困りごとなどです。

 

個人情報保護法では、病歴や障害に関する情報などは「要配慮個人情報」とされ、通常の個人情報以上に慎重な取り扱いが求められます。医療・介護分野では、診療情報や身体状況、障害に関する情報なども要配慮個人情報に該当するとされています。

 

ここで重要なのは、「録音すること」だけを考えればよいわけではないという点です。

 

録音した音声を文字起こしする。文字起こしを生成AIに入力して要約する。そこから支援計画や面談記録を作成する。この一連の処理すべてが、個人情報を扱う工程になります。

 

つまり、AI議事録を導入するときに最初に考えるべきなのは機能ではありません。

 

「この面談データを、どこまで・どのサービスに預けてよいのか」ここを決めることが、介護分野のAI活用では非常に重要です。


個人情報保護委員会も、生成AIサービスへの個人情報の入力について注意喚起を出しています。
(出典:個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」令和5年6月2日)。


事業所として決めておく3つの線引き

アナウンス

職員任せにせず、事業所のルールとして次の3つを掲示できる形にしておきます。

1. 録音は同意を得て、事業所の契約アカウントだけで行う

録音前に「記録を正確に残すため、録音させてください。記録作成後に音声は削除します」と一言伝え、同意を得ます。私物スマホの個人アプリ、無料・個人プランでの録音は禁止します。

2. AIの出力は、必ず職員が音声と照らして確認する

【要確認】の箇所は特に、元の音声で確認してから記録に反映します。AIの下書きをそのまま転記しないことをルールにします。

3. 判断と記録の責任は職員と事業所が持つ

ケアプランの方針や、リスクの評価をAIに決めさせることはしません。AIは「書く作業」を手伝う道具です

まとめ

介護事業所で面談記録AIを導入する際は、機能や価格だけでなく、AI学習に使われない契約か、事業所がアカウントを管理できるか、録音から保存までの経路を管理できるかを確認することが重要です。

 

また、同じサービスでもプランによってデータの扱いが異なります。録音時の同意、AI出力の職員確認、最終的な判断は人が行うというルールを整えたうえで、自事業所の運用に合ったツールを選びましょう。

 

大切なのは「どのAIが一番便利か」ではなく、どの契約で、誰が、どのように管理して使うかを決めておくことです。

 

「AIを試す」から、「安心して任せられる記録の仕組みをつくる」へ

面談記録、担当者会議の議事録、支援経過。ケアマネジャーの仕事の多くは「書くこと」に時間を取られています。ここを見直すことは、職員の残業を減らすだけでなく、利用者さんと向き合う時間を取り戻すことにもつながります。

 

株式会社アスカゼでは、宮崎県内の介護・福祉事業所様を対象に、AI研修とAI活用支援を行っています。ツール選定からルールづくり、職員向けの研修まで、事業所の状況に合わせてお手伝いしています。

  • 「何から始めればよいかわからない」
  • 「情報漏えいやルール面が心配」
  • 「職員ごとに使い方の差がある」
  • 「AIを入れたものの、業務改善につながっていない」

そんな段階でも大丈夫です。まずはお気軽にお問い合わせください。

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