【分析】自己分析にも使える!SWOT分析の基本と使用方法についてやさしく解説

事業計画書を作成する際や、自分の新しいビジネスを展開する際に、よく利用されるのがSWOT分析です。

 

SWOT分析は自社の問題や優位性を明確にすることができ、個人の目標設定でも使用することができるので、活用しやすいフレームワークになります。

 

この記事ではSWOT分析がどういったものなのか、基本的な内容や使用方法、注意点を解説しています。

 

SWOT分析とは

SWOT(スウォット)分析とは、自社や事業の置かれている現状を把握するために用いられるフレームワークで、マーケティング戦略のうち早い段階で実施します。

 

自社だけでなく、自分の自己分析にも用いることができるので、キャリア戦略を考える際にも使用できる有能な分析方法です。

 

SWOTは以下の頭文字をとったものになります。

SWOT

  • 強み「Strength」
  • 弱み「Weakness」
  • 機会「Opportunity」
  • 脅威「Threat」
SWOT

外部環境と内部環境の状況を把握するために、それぞれを個別に分析するのではなく、4つに分けて相互関係を分析していくのがSWOT分析です。

 

SWOT分析は経済産業省のミラサポplusでもマンガ形式でわかりやすく解説されているので、参考にされると良いでしょう。

 

(参考)経済産業省 中小企業庁 ミラサポplus 「マンガでわかる、SWOT分析」

 

SWOT分析の流れ

SWOT分析を行うにあたっては、まず具体的な目標や課題設定を行う必要があります。なぜSWOT分析をするのかが明確になっていなければ、分析する内容が大きくズレてしまう可能性があるためです。

 

SWOT分析を行う際は、まず何のために行うのか明確にして戦略を立てていきましょう。

外部環境

株価推移

目標が定まったら、外部環境についての分析を始めていきます。外部環境には、「機会」「脅威」があり、自社にとっての機会や脅威となる要素について検討します。

 

外部環境は自社では変更することが困難なものをピックアップします。政治的、経済的、法律、社会・文化的な風潮といったマクロ的な視点から、市場競合といったミクロ環境についての情報を集めます。

 

情報収集の際は、新聞やニュースといった情報だけでなく行政機関のデータもチェックしておきましょう。

 

内部環境

会議

内部環境では自社と競合とを比較分析することで、自社の「強み」「弱み」を把握します。

 

内部環境は外部環境とは異なり、自社でコントロールできるものになります。

 

強みであれば商品やサービス、技術力、ブランド力、マーケットシェア、コスト、資金、人材などから検討し、弱みについても強みと同様に、自社の経営資源の中から該当するものをピックアップしてください。

 

内部環境分析にあたっては、数値化できるものを用いるようにし、客観的な比較検討を行うことがポイントです。

 

SWOT分析で集めるべき情報をまとめると以下のようになります。

  • Strength   強み:目標達成に優位に働くであろう自社の強み。
  • Weakness   弱み:目標達成の障害となる自社の弱み。
  • Opportunity  機会:目標達成に優位に働くであろうマクロ・ミクロの状況。
  • Threat    脅威:目標達成の障害となるであろうマクロ・ミクロの状況。

 

SWOT分析で使えるフレームワーク

外部環境を考える際に活用できる別のフレームワークもご紹介します。

PEST分析

PEST分析

PEST分析は、以下のそれぞれの頭文字をとったもので、外部環境(マクロ環境)を分析するために利用されます。

 

PEST分析

  • P:Politics(政治的要因)
  • E:Economy(経済的要因)
  • S:Society(社会的要因)
  • T:Technology(技術的要因)

ビジネスは政治や国内外の経済状況によっても大きく左右されるので、それぞれ状況を分析します。

 

ファイブフォース分析

ファイブフォース分析は、以下のそれぞれの頭文字をとったもので、外部環境(ミクロ環境)を分析するために利用されるフレームワークです。

ファイブフォース分析

  1. 競争業者
  2. 買い手
  3. 供給業者
  4. 新規参入業者
  5. 代替品

5つの視点から競争要因から業界構造、自社の魅力などを分析するため、複雑な競争関係の把握、脅威を発見するときに役立ちます。

 

SWOT分析のポイント

ポジティブとネガティブ

外部環境、内部環境分析でそれぞれ見つけ出した要素は、ポジティブ要素にもネガティブ要素にもなることを理解しておきましょう。

 

理由として、現在のビジネスでは強みだったものが、急に弱みになることや、機会であったものが脅威になることが多いからです。日本の経済は輸出産業が支えていると言われています。輸出を例に例えると、為替の変動によって「円安になれば輸出国での価格が下がるためよく売れる」といった流れになります。

 

一方で、海外から部材を仕入れている場合は「輸入コストが高くなる」といったポジティブな要素とネガティブな要素が混在することになります。

 

外部環境に限った話ではありません。自社の内部環境においても同じことが言えます。組織で考えれば「正確性を重視する」体制であれば、他社からすると「提案スピードが遅い」と捉えられるかもしれません。

 

個人で置き換えるとさらに理解しやすいはずです。

 

就活などで長所と短所について考えたことがあると思います。自分の長所を「聞き上手」だとすると、逆の視点からみれば「自分の意見を言わない人」だと受け取ることもできます。

 

SWOT分析をするにあたっては、常に逆の視点も把握しておくことがポイントになります。

 

強みと自慢できる点の違い

強みについては自社の「自慢できる点」を挙げるのではなく、本当の強みを知る必要があります。「自慢できる点」と「強み」はイコールではありません。

 

強みは自社の売上に直結するものでなければいけません。5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)がしっかりしていることを強みと挙げても、売上に直結するかは疑わしいですよね。

 

「オンライン注文であれば3時間以内に配送が可能」といった、消費者の購買につながるような部分が強みになります。他社に自慢できる点が強みとは必ずしも言えない点には注意しましょう。

 

クロスSWOT分析を活用

SWOT分析で各要素をピックアップできたら次に行うことは、クロスSWOT分析を用いて目標達成に向けた戦略を考えます。

考えるべき戦略

  • どのように強みを活かすか?
  • どのように弱みを克服するか?
  • どのように機会を利用するか?
  • どのように脅威を取り除く、または脅威から身を守るか?

クロスSWOT分析ではこれらの戦略をSWOT分析で用いた各要素を、2つずつ組み合わせて検討します。

 

  • 「強み」と「機会」の掛け合わせ
  • 「強み」と「脅威」の掛け合わせ
  • 「弱み」と「機会」の掛け合わせ
  • 「弱み」と「脅威」の掛け合わせ

図にすると以下のようになります。

4つそれぞれの戦略について検討し、自社の資源をどのように活用していくのか成果が最大になる方法を考えましょう。

 

おわりに

SWOT分析は外部環境,内部環境を分析するのにとても活用しやすいフレームワークです。

 

しかしSWOT分析では足りない部分もあることから、PEST分析や5フォース分析のように他のフレームワークと併用してSWOT分析の正確性を高める必要があります。

 

個人事業主の方でも、自分の事業に応用できますからぜひお役立てください。

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