【仕事の生産性UP】健康とパフォーマンス向上のために!手軽に始められる自転車通勤のススメ

仕事をしていると「運動する時間がない」と思っている方も多いのではないでしょうか。

 

わかってはいるけど運動が嫌いだったり、ジムに通いたいけど時間的にも金銭的にも余裕がないと話される方は少なくありません。また実際始めても、継続するとなると大変な努力が必要となります。

 

そんなビジネスパーソンには通勤で自転車を利用することをオススメします。健康面でもプラスですし、月々の交通費も抑えられるのでいいこと尽くしです。

 

今回は自転車通勤のメリットや通勤時間や通勤距離別にオススメの自転車もご紹介します。いつもの通勤が「運動」に変わることを想像しながら読み進めてみてください。

 

1. はじめに

近年、企業における「健康経営」への取り組みが活発化しています。経済産業省が推進する「健康経営優良法人認定制度」の認定企業数も年々増加しており、従業員の健康増進は企業にとっても重要な経営課題の一つとなっています。

 

認定要件の中には「具体的な健康保持・増進施策」を上げる必要があり、その中に「運動機会の増進に向けた取り組み」も含まれています。

 

忙しいビジネスパーソンの運動機会を作ることは日常から考えるとややハードルが高い気しますが、自転車通勤はエクササイズの手段でもあり、移動手段としても利用できるので、手軽に運動習慣を取り入れることができる効果的な方法になります。

 

定期的な運動は、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病のリスクを低下させることが科学的に証明されています。

 

2. 自転車通勤がもたらす健康メリット

 

自転車に乗ることが私たちのカラダにどのような効果をもたらすのでしょうか。ここでは自転車がもたらすメリットについて解説します。

運動不足解消と生活習慣病予防

現代人の多くは、運動不足が原因で生活習慣病のリスクが高まっています。厚生労働省の調査によると、日本人の約3割がメタボリックシンドローム予備軍、約1割がメタボリックシンドロームと診断されています。

 

(参考)厚生労働省「平成28年国民健康・栄養調査」

運動不足解消のために同じ時間運動するのであれば、自転車はウォーキングに比べて約2倍ほどの消費カロリーがあります。ランニングや水泳には及びませんが、それでもそれに近いくらいのカロリー消費を見込めます。

 

多くのカロリーを消費できる自転車は、以下のような生活習慣予防のメリットが報告されています。

  • 血糖値を下げる
  • コレステロールを下げる
  • 高い抗酸化能力を得られる

(参考)自転車に乗って健康になろう一般財団法人 日本自転車普及協会

またランニングのような膝や足首への負荷も少ないため、関節に痛みが生じにくく続けやすいと言う点もメリットです。

 

ストレス解消とメンタルヘルス向上

自転車でのサイクリングは心拍数を適度に上げることで、副交感神経を活性化しリラックス効果をもたらします。

 

また満員電車や渋滞によるストレスは、イライラや疲労感だけでなく、免疫力低下や睡眠障害の原因にもなります。自転車通勤は開放的な空間を風を感じながらマイペースで走行できる気持ちをリフレッシュさせることにも役立っています。

 

さらに通勤時に太陽光を浴びながら、有酸素運動を行うことでセロトニンの分泌が促されます。セロトニンは「幸せホルモン」と呼ばれており、恐怖や不安を制御する働きがあるので、朝の通勤時間に自転車に乗ることはセロトニンの分泌を促進し、ストレスをコントロールするのに役立つのです。

 

これにより幸福感の獲得など、心理的な健康に良い影響をもたらすことが報告されています。

 

脳機能の活性化と認知症予防

脳科学の研究により運動が脳機能の活性化に効果があることが明らかにされています。

 

特に自転車のような有酸素運動は、心臓機能が向上し血流がスムーズになります。これにより、脳への酸素供給が増加し、脳の機能が活性化され、集中力や記憶力の向上が期待できるとされています。

 

また脳の神経細胞の生成を促進し、記憶力や集中力などの認知機能を向上させることがわかっています。2週間に1回、30分程度の自転車通勤だけでも、認知症のリスクを低下させる可能性もあります。

 

睡眠の質の向上

睡眠不足は集中力低下や免疫力低下など、様々な健康問題を引き起こします。一方、適度な運動は質の高い睡眠を促進することがわかっています。

 

朝日を浴びながら自転車を漕ぐことでセロトニンが生成されます。このセロトニンは睡眠を促すホルモンであるメラトニンを調整する働きがあるため、朝の自転車通勤による適度な運動は夜間の深い睡眠を誘導し、睡眠の質を向上させる効果が期待できます。

 

良好な睡眠が取れれば、疲労回復やストレス解消にも貢献します。

 

自転車通勤はランニングコストが安い

自転車通勤の良いところは、何も健康面だけではありません。自転車をすでに持っている方であれば出勤のための交通費を限りなく安くすることができます。

 

定期的なメンテナンスや急なパンクが起こったとしても、月々かかる費用としては駐輪場代が必要なければ月平均して1,000円程度をみておけばOKでしょう。

 

最近は自転車保険への介入も必要になっています。加入していなければ万が一の時に、数千万円以上の請求をされることもあるので、自動車保険の特約などを利用してでも加入しておきましょう。

 

保険料は自動車に比べてとても安く、価格.comを検索すると年間保険料は3,000円前後になります。それぞれ特徴があるので、比較しながら加入を検討してください。

 

保険料と月々の費用を計算すると、年間の維持コストは15,000円前後と、車や電車の利用料金を考えるとかなり抑えられていると感じるでしょう。

 

自転車をお持ちでない方は最初に自転車を購入する費用が掛かりますが、それでも車を購入したり、公共交通機関を毎日利用するよりは安くなります。

 

 自転車通勤の時間はどれくらいがいい?

総務省統計局の社会生活基本調査によると、日本人の平均の通勤時間は平日で片道39.5分(往復1時間19分)となっています。

(出典)総務省 統計局 平成 28 年社会生活基本調査― 生活時間に関する結果 ―

 

ただ理想の通勤時間はと言えば、17歳~49歳の女性306名を対象にした『とらばーゆアンケート』でも、理想の通勤時間は15〜30分未満と答える割合が51%となっています。

円グラフ

(出典)働く女性に聞く「理想の通勤時間」はどれくらい?『とらばーゆアンケート』306名(17歳~49歳の女性)より作図

 

自転車通勤がいくらメリットがあるといっても、距離や時間が長くなると続けづらくなるので、理想的としては有酸素運動の効果を期待できる20~30分くらいがベストだと考えます。

 

 

なお距離や自転車の種類によって通勤時間は異なるので、一般的な自転車での通勤時間をお示しします。

 

通勤距離と時間

  • 5km:約15分
  • 7km:約20分
  • 10km:約30分

 

ちなみに自転車通勤に適した距離は、個人の体力や体調によって異なりますが、一般的には約5km~8km程度が目安とされています。

 

通勤ルートを決める際のポイント

通勤距離が短くても、通勤ルートが交通量が多かったり、坂道が多いと続かない原因になります。

 

通勤ルートを決める際は以下のような点に注意してください。

  • 自分の体力や体調に合った距離を選ぶ
  • 通勤時間や休憩時間を考慮する
  • 坂道の多い場合は、できるだけ迂回する
  • 安全な道路を選ぶ

 

距離別オススメ自転車

通勤時間を30分としても、自転車の種類によって進む距離が異なります。通勤で主に利用されているのは以下の3つの自転車です。

  • シティサイクル(ママチャリ)
  • クロスバイク
  • ロードバイク

それぞれにメリット・デメリットがありますので、ここでは簡単に特徴をお伝えします。

 

シティサイクル(ママチャリ)

シティサイクルは最も一般的に見られる自転車のタイプです。通勤・通学・買い物などの日常的な移動に適しており、その実用性から「ママチャリ」とも親しみを込めて呼ばれています。

 

タイヤサイズは 26インチ以上が一般的で、安定した乗り心地があり、前方にバスケット、ライト、泥除けなど日常生活での利便性を高める装備が標準で付属していることが多いです。

 

比較的手頃な価格帯で、最近では30,000円前後で十分な性能を有しています。

 

速度の目安

平均速度15km/h(30分通勤なら7.5km以内が通勤距離)

 

クロスバイク

クロスバイクは、シティサイクルとロードバイクの中間に位置する自転車で、街乗りからレジャーまで幅広い用途に対応しています。操作性に優れており、自転車通勤に利用するなら一番オススメ種類になります。

 

タイヤの太さはシティサイクルに近いですが、それよりも少し細くより、ロードバイクよりも太いため、スピードや操作性を考えてもちょうどいいサイズです。

 

乗車姿勢はやや前傾姿勢になりますが、ロードバイクほどではなく、視野が広く余裕を持って走行できます。

 

価格としてはロードバイクに比べて手が出しやすい価格帯で、7~8万円から購入できるもでるもあります。

 

速度の目安

平均速度18-25km/h(30分通勤なら10km前後が理想)

 

ロードバイク

ロードバイク

ロードバイクはスピードと長距離の走行性能を追求した自転車で、競技用からレジャー用まで幅広いモデルが存在します。

 

ハンドルはドロップハンドルが採用されており、空気抵抗を低減するための様々な姿勢で漕ぐことが出来ます。フレームは軽量で、タイヤ幅も2cm程度で細いため空気圧が高めとなり、乗り心地は硬めになります。

 

高性能なモデルほど価格が高くなりますが、エントリーモデルも多く、10万円前後で購入できる初心者用の価格帯ものもあります。

 

ただ段差などではタイヤ幅が狭いため気を遣う必要があり、空気圧の点検もほぼ毎回必要になります。また盗難に他の自転車よりも遭いやすいため気を遣う必要があります。盗難防止対策を職場でもしっかりと行うようにしましょう。

 

速度の目安

平均速度20-30km/h(30分通勤なら12km前後が理想)

 

どんな自転車がいいかな?と悩んでいる方は日本最大級のスポーツサイクル店の【ワイズロードオンライン】をのぞいてみて下さい。ママチャリよりも、好きなかっこいい自転車で通勤するの姿をイメージするだけでも楽しいですよ。

 

自転車通勤を始める前に

自転車通勤を始める前に、必ず以下の点にも注意するようにしましょう。

  • 健康状態の確認:健康に不安がある場合は、事前に医師に相談しましょう。
  • 自転車の準備:自転車が安全に走行できる状態であることを確認しましょう。
  • 鍵を準備する:盗難に遭いやすいため、できれば2重ロックを心掛けましょう。
  • 交通ルールを守る: 交通ルールを守り、安全に走行しましょう。
  • マナーを守る: 歩行者や他の車に配慮した運転をしましょう。

なおヘルメットの着用については、2023年4月1日に改正道路交通法が施行された事により努力義務となりました。つまり「転車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶるよう努めなければならない」となったのです。

 

努力義務のため罰則はありませんが、交通事故にあった場合に過失割合が大きくなったり、保険の補償対象外となる恐れもあるので、路側帯を走行する際は特にヘルメットを着用するようにしましょう。

 

まとめ

通勤を自転車に変えることで運動不足解消、生活習慣病予防、ストレス解消、メンタルヘルス向上、脳機能活性化、認知症予防、ダイエット効果、体脂肪率低下、睡眠の質向上など、様々な健康メリットをもたらします。

 

株式会社アスカゼでは従業員の皆様の健康増進をサポートするため、自転車通勤を推奨しています。健康を維持したいけれど、運動する時間がないと言う方は、通勤が適度な運動になる自転車通勤をぜひこの機会に始めてみてはいかがでしょうか。

参考

  • 東京都健康安全部「自転車通勤の健康効果」
  • 国立健康・栄養研究所「運動と健康」
  • 大阪市立大学医学部附属病院「運動と認知症予防」
  • 厚生労働省「健康経営優良法人認定制度」
  • 佐藤祐造:内臓脂肪燃焼に効果的な有酸素運動の方法 体力医学 日本医事新報 No.4651 20136.15
  • The Effects of Home-based Bench Step Exercise on Aerobic Capacity, Lower Extremity Power and Static Balance in Older Adults.International Journal of Sport and Health Science 4:570-576. January 2006
  • 軽い運動でも認知機能は高まる!-短時間の軽運動でも高まる実行機能と脳内神経基盤の解明-筑波大学
  • 佐藤祐造 編:糖尿病運動療法指導マニュアル.南江堂 2011

 

株式会社アスカゼは、「ウェルネス保健室」を通して健康経営を支援するサービスを行っています。従業員の皆様の健康増進をサポートするため、保健師、産業カウンセラー、理学療法士等が連携して様々な取り組みを行っております。

自転車通勤に関するご相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。(こちら

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