【保育の質を保つ】子ども達とできる!保育士さんの健康を守る支援策について解説

保育士の仕事は残業時間も長く、終わらない仕事は自宅に持ち帰る先生方も多いのではないでしょうか。こうした働き方は社会的に見れば当たり前ではありません。

 

いまだにサービス残業を行っている事業所もあると言われていますので、保育士さんの負担はとても大きいと感じています。このような状態では体調を崩したり、メンタルヘルスに悪影響を及ぼして「質のいい保育」ができるとは思えません。

 

今回は保育士さんの健康を守るために子どもたちと一緒に行える取り組みや、継続しやすく費用のかからない取り組みについて詳しく解説します。

 

これらの取り組みは先生方の健康維持だけでなく、子どもたちの健康教育、法人の知名度アップにもつながる方法ですので、ぜひ活用してみてください。

 

保育士さんの健康課題

どちらにするか考える若いビジネスウーマン

身体的な負担

保育士さんの仕事は子どもたちと一緒に遊んだり、抱っこしたりと、身体的な負担が大きいのが特徴です。長時間の立ち仕事や中腰姿勢による腰痛、肩こりなどの筋骨格系の問題が多く見られます。

 

また子どもたちの世話をする中で、急な動きに対応する必要があるため、怪我のリスクも高くなっています。

 

メンタルヘルスの問題

保育士の先生方は常に子どもたちや保護者とのコミュニケーションを求められ、精神的なストレスも大きい職業です。

 

責任の重さや、子ども同士のトラブル対応、またその後の保護者への連絡、長時間労働などが要因となり、燃え尽き症候群やうつ症状などのメンタルヘルス問題が発生しやすい環境にあります。

 

感染症リスク

子どもたちと密接に関わる仕事のため、インフルエンザや胃腸炎などの感染症にかかるリスクが高くなっています。

 

特に乳幼児を扱う先生方は、唾液や排泄物を通じて自身に感染する病気にも注意が必要です。

 

 

こちらの記事では健康課題と対策について詳しく解説していますので、ぜひ参考にされてみてください。

参考【質の高い保育のために】保育士の健康問題と対策・福利厚生について考える

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子どもたちとできる健康対策

カラダの健康を自分だけで管理するのは正直続かないことが多いです。

 

だからこそ職場で子どもたちと一緒にできる活動で健康になれたらいいと思いませんか?ここでは園内でのルーティンとして取り入れると健康になれる活動をご紹介します。

朝の体操の実施

体操服姿の子ども

保育士の先生方と子どもたちが一緒に朝の体操でカラダを動かすことで健康の維持につながります。

 

自分で体操をすることはなかなか難しいと思いますが、毎朝のお集まりの時間を使って子どもたちと一緒に体操を行うことで、先生たち自身も楽しみながらカラダを動かすことができます。

具体例

  • 園庭・ホール・保育室で5〜10分程度の簡単な体操を行う
  • 季節や行事に合わせた体操を取り入れる(例:七夕体操、クリスマス体操)
  • 子どもたちと一緒に体操の振り付けを考える

 

従業員の健康を支援する保育園や幼稚園では子どもたちと一緒に体操の振り付けを考えて、園独自の体操を作っているところもあります。

 

この取り組みは費用がかからず、毎日の日課として継続しやすいのが特徴ですので、ぜひ取り組んでいただきたいです。

 

健康的な食事の共有

給食を食べる子ども給食の時間を利用して先生方と子どもたちが一緒に健康的な食事を楽しむ時間を作るのもよい方法です。

 

これは忙しい先生方の栄養バランスの良い食事を摂ることにつながり、健康維持に役立ちます。

 

通常給食を一緒に食べる場合、給食費を先生方が払うと思いますが、「給食費無料」を福利厚生として取り入れている園もありますので、そうした支援方法も良いでしょう。

 

リラックスタイムの導入

午睡する子ども

子どもたちの午睡時間を利用して、リラックスする時間を設けることがで、メンタルヘルス対策に繋がります。

 

昼食をゆっくりと食べる時間がないだけでなく、休む時間がないほど忙しい先生方も多いはず。だからかそ短時間でも心をカラダをリラックスする時間を「意識的」に作って欲しいのです。

 

実施例

  • 子どもたちの午睡中に、5~10分程度の瞑想や深呼吸の時間を設ける
  • 静かな音楽を流し、リラックスした雰囲気を作る
  • ストレッチなど座ったままできる軽い体操を行う

 

年長児を担当している保育士さんは子どもたちが午睡をしなくなるため、そのような場合は子どもたちと一緒にリラックスタイムを作ってみてはいかがでしょうか。

 

手洗い・うがいの習慣化

手洗い

当たり前のことですが子どもたちと一緒に手洗い・うがいを行うことで、自身の衛生管理も徹底できます。

 

子どもには感染対策を指導していても、自分事になると手を抜いてしまう方もいらっしゃいます。子どもから感染することも少なくないので、子どもたちと一緒に感染症予防に取り組むことは自分の身を守ることに繋がるのです。

実施例

  • 登園時、外遊び後、食事前など、定期的に手洗い・うがいを行う
  • 正しい手洗い方法を歌や絵本を使って楽しく学ぶ
  • 手洗いチェッカーを使用して、洗い残しがないか確認する

 

園庭や室内での植物栽培

畑を触る子供

子どもたちと一緒に植物を育てることで、自然とのふれあいを通じてリラックス効果が得られます。

 

また野菜の苗などを一緒に植えることで、植物の成長を観察し、収穫まですることは子どもたちにとっても貴重な学びになります。

 

「プランナー」や「ペットボトル」を利用して、植物に水やりをすることから始めてみるのもとよいでしょう。

 

笑いヨガの実践

笑う保育士と子ども

「笑いヨガ」は笑うことと呼吸法を組み合わせたエクササイズです。日本笑いヨガ協会という組織があるくらいで、YouTubeなどでも紹介されています。

 

子どもたちと一緒に行うことで、楽しみながらストレス解消したり、表情筋が鍛えられるので顔のたるみが抑えられ、リフトアップ効果も期待できると言われています。

 

笑いヨガについては日本笑いヨガ協会で解説されており、介護予防やケア現場だけでなく、企業でも行われ写真の健康づくりに用いられています。

 

実施例

  • 1日5-10分程度、笑いヨガのセッションを行う
  • 「ハハハ」「ホホホ」など、様々な笑い方を練習する
  • 子どもたちと一緒に、オリジナルの笑いヨガポーズを考案する

 

健康支援サービスの導入事例

保育士と子供

ある保育園では以下のような健康支援サービスを導入し、保育士さんの健康維持と働きやすさの向上に成功しています。

 

  1. 年2回の健康診断と、希望者への各種がん検診の費用補助
  2. 外部カウンセラーによる月1回のメンタルヘルス相談
  3. フレックスタイム制度の導入と、短時間勤務制度の拡充
  4. 園内保育所の設置と利用料の補助
  5. 年1回の5日間連続リフレッシュ休暇の付与
  6. ヨガやストレッチなどの健康増進プログラムの定期開催

 

健康支援を実施する前は元気な時に発揮できる仕事の能力が100%とした際に、60~70%台まで低下した園もあります。通常は85%が平均なので、保育士さんの健康問題がいかに大きいかがわかるかと思います。

 

実施後はこれらの取り組みにより先生方の離職率が低下し、職場の雰囲気も改善されたとの報告がありますので、できる範囲からぜひ取り組んでいただければと思います。

 

まとめ

これらの取り組みは、特別な設備や高額な費用を必要とせず、日常の保育活動の中に組み込むことができます。

 

また子どもたちと一緒に行うことで、先生方の健康維持だけでなく、子どもたちの健康教育にもつながります。継続的に実施することで、保育園全体の健康的な雰囲気づくりにも貢献できるでしょう。

 

保育士さんの健康を守ることは、質の高い保育サービスを提供するための基盤となります。これらの取り組みを通じて、先生方と子どもたちが共に健康で活き活きとした園生活を送ることができるよう、工夫を重ねていくことが大切です。

 

 

弊社が運営するウェルネス保健室では保育士の先生方の健康を全力で支援します。

先生方の心とカラダを整える支援を行い、継続できる方法を一緒に考え、園のPR活動のサポートも実施します。セミナーも実施しておりますので、お気軽にご相談ください!

ウェルネス保健室

 

また連携してるAfter Rehaでは、子どもたちの発達の支援(保育士・保護者向けのセミナー)も行っていますので、合わせてご活用いただければ幸いです。

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