【正月疲れ】年末年始の休みをどう過ごす?仕事復帰がスムーズになる過ごし方

年末年始の長期休暇は、普段頑張っているあなたにとって心身のリフレッシュに欠かせない時間です。

 

一方で、長い休暇が明けた後の仕事への再開は、新たなストレスを生み出すこともあります。特に30〜40代は仕事、家庭、そして自分自身の成長など、様々な環境の中で日々過ごしているので、休暇明けのカラダの調整が難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。

 

この記事では年末年始の休み明けに感じる「正月疲れ」の原因と、休み明けの仕事で最高のパフォーマンスを発揮するための具体的な方法についてご紹介します。

 

なぜ年末年始の休み明けはつらいのか?

年末年始はゆっくり過ごそうと思い、家でダラダラした経験ありませんか?そのような生活スタイルだと実はかえって疲れてしまい、仕事復帰がストレスになることもあります。ここではなぜ年末年始の休み明けが辛いのか4つの視点から考えていきます。

①生活リズムの乱れ

スマホを見る女性

年末年始の長期休暇は、日常的な生活リズムが大きく崩れやすい時期です。

 

普段の決まった時間に起きて仕事に行くという習慣が無くなり、夜更かしや朝寝坊が増えがちです。また忘年会や新年会などのイベントで深夜まで飲食をすることも多くなります。

 

こうした生活リズムの乱れは、体内時計を狂わせ、ホルモンバランスを崩す原因となります。特に重要なのが、睡眠と覚醒のリズムを調整するメラトニンと、ストレス対応に関わるコルチゾールのバランスです。これらのホルモンが乱れると、疲労感が増大し、集中力や判断力が低下してしまいます。

 

さらに生活リズムの乱れは食生活にも影響を与えます。不規則な食事時間や過度の飲酒、暴飲暴食などが続くと、消化器系に負担がかかり体調を崩す原因にもなります。

 

メラトニンとコルチゾール

  • メラトニン

睡眠・覚醒サイクルを調整する作用があります。起床して朝に太陽光を浴びた約15時間前後から血中のメラトニン量が増加し、眠気を誘う働きをしています。

  • コルチゾール

生命を維持するために欠かせないホルモンで、心身がストレスを受けると、急激に分泌が増えることから、「ストレスホルモン」とも呼ばれます。

 

年末年始はお酒を飲む機会も増えるので、運動習慣が二日酔いに効果があることを記事にしたこちらも参考にされると良いでしょう。

参考二日酔いが軽くなる!?定期的な運動が「気持ち悪い」を軽減する理由について解説

二日酔いで翌日の仕事が辛かった。そんな経験をされた方も少なくないのではないでしょうか。   でもお酒を飲んで二日酔いで悩んでいる方に朗報があります。最近の研究によると、定期的な運動が二日酔い ...

続きを見る

 

②仕事復帰へのストレス

肘をつく女性

長期休暇後の仕事復帰は、多くの労働者にとって強いストレスとなります。土日の休み明けでもストレスに感じるにも関わらず、長期の休み中にリラックスした状態から、突然仕事モードに切り替えることは、心身ともに大きな負担となります。

 

特に休暇前と同じペースで仕事に入ろうとすると、焦りや不安を感じやすくなります。長期の休みで集中力が低下していたり、入職してからの期間が短い人は仕事の手順を忘れていたりすることもあるため、パフォーマンスが下がり、仕事の自信を失ってしまう可能性もあります。

 

また休暇中に仕事から完全に離れていた場合、職場の人間関係や仕事の流れに再び慣れるのに時間がかかることもあります。

 

これらの要因が重なり、仕事への復帰がストレスとなってしまうのです。

 

③仕事が溜まっている

頭を抱える女性

年末年始の休暇中、仕事は止まっていても、やるべき仕事は増え続けていることも1つの原因として挙げられます。

 

メールの返信、報告書の作成、新規プロジェクトの準備など、休暇明けには多くの仕事が待ち受けています。この溜まった仕事を前にすると、多くの人がプレッシャーとストレスを感じます。

 

「どこから手をつければいいのか分からない」「全部をこなすのに時間が足りない」といった不安がよぎり、ストレスが上昇してしまうのです。年始は新年度の計画立案や予算策定など、重要な業務が集中する時期でもあります。このような状況下で溜まった仕事に直面すると、より一層のストレスを感じることになります。

 

④家族や親戚との付き合い

家族との時間

年末年始は家族や親戚と過ごす機会が増える時期です。しかし、これが必ずしも楽しいだけの経験とは限りません。特に30〜40代にとっては、家事や育児の負担が増えたり、親戚からの質問に対応したりと、精神的なストレスを感じることも少なくありません。

 

また普段会わない親戚との会話や、価値観の違いから生じる軋轢などもストレスの原因となります。こうした精神的に疲れた状態で仕事に復帰するため、パフォーマンスが上がらないのです。

 

家族や親戚との付き合いは大切ですが、同時にそれがストレス要因になることも認識しておく必要があります。

 

休暇中に気を付けること

年末年始の休暇後も高いパフォーマンスを維持するためには、計画的かつ効果的な取り組みが必要です。

①生活リズムを整える

目覚まし時計

休暇中も規則正しい生活リズムを維持することが重要です。就寝時間と起床時間を一定に保ち、体内時計を乱さないようにしましょう。

具体的な取り組み

  • 休暇中も平日と同じ時間に起床する
  • 就寝前の2時間はブルーライトを避け、リラックスする時間を作る
  • 朝日を浴びて体内時計をリセットする

研究によると、規則正しい睡眠-覚醒リズムを保つことで、休暇後の仕事への適応がスムーズになることがわかっています。

 

②運動習慣の確立

自然の中で手を挙げる女性

休暇中の適度な運動は、ストレス解消と集中力向上に効果的です。

具体的な取り組み

  • 朝のストレッチや軽いヨガを日課にする
  • 昼休みに短時間のウォーキングを行う
  • 週末にジムや公園で本格的な運動を行う

運動習慣はストレスホルモンの分泌を抑制し、幸福感を高めるセロトニンの分泌を促進します。

 

③栄養バランスの改善

野菜

正月休みだからと暴飲暴食をせず、日ごろの乱れた食生活も一緒に改善するつもりで、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。

具体的な取り組み

  • 朝食をしっかり摂る習慣をつける
  • 野菜や果物を積極的に取り入れる
  • 水分補給を意識的に行う

長期休みの場合は飲酒の機会も増えますが、飲酒はうつ病や不安障害を引き起こしたり、抑うつ気分を悪化させたりすることもあるので飲みすぎには注意しましょう。

(参考)依存症対策全国センター うつ、不安とお酒の関係

仕事復帰に向けてストレスを軽減する具体的な方法

ガッツポーズする女性

ここからはどのように休暇中に溜まったストレスをコントロールしたらよいのか具体的にお伝えしていきます。

仕事復帰前の準備

仕事復帰の前日から、少しずつ仕事モードに切り替えていくことが効果的です。

○仕事量の把握

仕事前日にメールの確認や溜まっている仕事量を把握し、優先順位をつけましょう。

○復帰後のスケジュール作成

復帰後のスケジュールを立て、効率的に仕事を進める計画を立てましょう。特に復帰初日は余裕を持ったスケジュールを組むようにしましょう。

 

可能であれば最初の1週間は、徐々に仕事量を増やしていく流れで仕事ができると、心とカラダが適応しやすくなるで、スケジュール調整はぜひ行ってみて下さい。

 

仕事復帰後の対策

仕事復帰後は休暇明けだろうとやるべきことが多くあるはずです。自分でうまく仕事をコントロールできるように、以下のことに取り組んでみましょう。

 

  • ポモドーロ・テクニックを活用し、集中力を維持する
  • 定期的に小休憩を取り、リフレッシュする
  • 仕事中に深呼吸の時間を設ける

 

休み明けで集中力が続かない場合はポモドーロテクニックを利用して 集中力を維持したり、集中力が途切れたと感じたら、休憩をこまめにとるようにすると、気分的にも楽に仕事ができるでしょう。

 

【YouTube:ポモドーロタイマー

 

仕事中に深呼吸を行うことも効果的です。

 

マインドフルネスと呼ばれる手法に近いですが、自身の呼吸だけに意識を向けて深呼吸を行うことで、ストレスや不安を軽減する効果があります。Googleなどの有名企業でも導入されている今注目されている手法です。

 

また休憩の際はカラダを少し動かしてあげると(軽いスクワットなど)、全身に血流が巡りやすくなるためデスクワークの人には特におすすめです。

 

おわりに

年末年始の休暇は、リフレッシュの機会であると同時に、新たなスタートを切るための準備期間でもあります。

 

上記の取り組みを実践することで、休暇後も高いパフォーマンスを維持し、充実した生活を送ることができるでしょう。

 

 

参考文献

  • 村松容子. (2019). 企業が考える従業員のストレス要因とその改善状況. ニッセイ基礎研究所.
  • 関根朝之. (2024). 年末のストレスを徹底解消!心と体をリフレッシュして新しい1年を迎えよう. ココロミル.
  • 日本生命保険相互会社. (2019). ニッセイ景況アンケート2019年度調査.
  • Kecklund, G., & Axelsson, J. (2016). Health consequences of shift work and insufficient sleep. BMJ, 355, i5210.
  • Sonnentag, S., & Kühnel, J. (2016). Coming back to work in the morning: Psychological detachment and reattachment as predictors of work engagement. Journal of Occupational Health Psychology, 21(4), 379-390.
  • Claessens, B. J., Van Eerde, W., Rutte, C. G., & Roe, R. A. (2007). A review of the time management literature. Personnel Review, 36(2), 255-276.
  • Salmon, P. (2001). Effects of physical exercise on anxiety, depression, and sensitivity to stress: a unifying theory. Clinical Psychology Review, 21(1), 33-61.
  • Khoury, B., Sharma, M., Rush, S. E., & Fournier, C. (2015). Mindfulness-based stress reduction for healthy individuals: A meta-analysis. Journal of Psychosomatic Research, 78(6), 519-528.
  • Neves, P., & Eisenberger, R. (2012). Management communication and employee performance: The contribution of perceived organizational support. Human Performance, 25(5), 452-464.
  • 橋本恵理 ,齋藤利和:アルコール依存症と気分障害.精神神経学雑誌,112;780-786,2010.
  • 松本俊彦,竹島 正:アルコールと自殺.精神神経学雑誌,111;829-836,2009.
  • 松下幸生,木村 充,吉村 淳,樋口 進:DSM-5時代のアルコール依存の生物学的基盤と薬物療法.精神神経学雑誌,119;252-259,2017.

 

RECOMMEND

-健康経営, 記事・コラム
-, ,