健康経営優良法人2026 認定結果まとめ-過去最多2.7万社、伸びの中身を読み解く

2026年3月9日、経済産業省が「健康経営優良法人2026」と「健康経営銘柄2026」の認定法人を発表しました。


認定企業は大規模法人部門3,765社・中小規模法人部門23,085社の合計26,850社。前年(2025年認定 計23,196社)から実に3,600社以上の増加で、過去最多を更新しています。

 

「健康経営はもはや一部の先進企業だけのものではない」――そう言える数字が出てきた、というのが2026年の現実です。

 

この記事では、2026年3月時点の最新発表内容と、来年「ブライト500」「ホワイト500」を狙いたい企業が今日から逆算して動くべき3ステップを、経済産業省の一次資料をもとに整理します。

 

健康経営優良法人2026 の認定結果

社内でのミーティング

経済産業省と日本健康会議は、2026年3月9日付で第10回となる「健康経営優良法人2026」を発表しました。

 

全体像:認定企業数は前年比+3,654社

部門 2025年認定 2026年認定 増減
大規模法人部門 3,400社 3,765社 +365社
中小規模法人部門 19,796社 23,085社 +3,289社
合計 23,196社 26,850社 +3,654社

 

特に中小規模法人部門が16%以上増えていることに注目してください。これは「人手不足対策として健康経営を始める中小企業」が急速に増えていることの裏付けです。

 

なお、今回の認定では国の機関として初めて経済産業省そのものも認定されました。「言うだけでなく自分たちもやる」という強いメッセージと言えます。

 

上位ランクは「ホワイト500」「ブライト500」「ネクストブライト1000」

健康経営優良法人の中でもとくに優良な企業には、以下の冠が付与されます。

  • ホワイト500:大規模法人部門 上位500社
  • ブライト500:中小規模法人部門 上位500社
  • ネクストブライト1000:中小規模法人部門 501〜1500位の1,000社

 

つまり、中小企業にとっては「優良法人」→「ネクストブライト1000」→「ブライト500」と、段階的にステップアップを狙える設計になっています。

 

健康経営銘柄2026は「28業種・44社」

東京証券取引所と共同で選定する「健康経営銘柄2026」には、第12回となる今回、28業種から44社が選定されました。

 

健康経営銘柄は、上場企業の中から「長期的な企業価値の向上を重視する投資家にとって魅力ある企業」を紹介する制度。健康経営優良法人(大規模)申請企業の上位500位以内の上場企業から、原則1業種1社が選ばれます。

 

評価フレームワークは、経営理念・方針/組織体制/制度・施策実行/評価・改善/法令遵守・リスクマネジメントの5軸。さらにROE(自己資本利益率)3年平均が0%以上という財務スクリーニングも入ります。

 

つまり「健康施策が頑張っている」だけでなく、業績面でも安定していることが条件になっているわけです。

 

(出典)経済産業省「『健康経営優良法人2026』認定法人が決定しました」(2026年3月9日)「『健康経営銘柄2026』に44社を選定しました」(2026年3月9日)

 

なぜ今、健康経営の認定数がここまで伸びているのか

3,600社以上の伸びは偶然ではありません。3つの構造的な理由があります。

採用競争で「選ばれる側」になるため

人手不足は、特に地方の中小企業で深刻化しています。


求職者は給与だけでなく「働き続けられる職場かどうか」を厳しく見るようになり、健康経営優良法人の認定ロゴは採用ページで強い武器になります。

 

取引先・金融機関からの評価が変わるため

自治体の入札加点、金融機関による低利融資、保険料の優遇など、認定企業に対するインセンティブが年々厚くなっています。


「健康経営をやっていない企業とは取引しにくい」というB2Bの空気も生まれつつあります。

 

人的資本開示と地続きになっているため

上場企業を中心に、有価証券報告書での人的資本開示が義務化されました。


「従業員の健康にいくら投資し、どう成果を出したか」をデータで示せる企業が評価される時代に入っています。健康経営はその土台です。

 

つまり健康経営は、「やっておいた方がいい」から「やっていないとリスク」へとフェーズが変わったと言えます。

 

2026年認定で押さえておきたい変更ポイント

「健康経営優良法人2026」は前年と比べて、評価の重心が大きく変わっています。要点は4つです。

「健康経営2.0」――取り組みの量より質が問われる

中小規模法人部門では、これまで「適合項目数」が評価対象でしたが、2026年からは「健康経営の組織への浸透」「企業の健康風土の把握」といった、より定性的な項目に評価が移りました。


形だけ整えるのではなく、社内に文化として根付いているかが問われます。

 

プレコンセプションケアが新たに登場

将来の妊娠・出産を含めたライフデザインを支援する「プレコンセプションケア」が、新たな評価対象に加わりました。


中小規模法人部門ではまず認知度を問う段階ですが、来年以降は具体的な取り組みが評価対象になる可能性が高い項目です。

 

「性差・年齢に配慮した職場づくり」が必須化方向へ

女性の健康課題(PMS・更年期など)への対策と、高年齢従業員への対策が、認定要件として整理されました。


性別・年齢で課題が違う前提に立って制度設計しているか、が問われるようになっています。

 

中小規模で選択要件が「17項目中8項目」に

これまで「15項目中7項目以上」だった選択要件が、「17項目中8項目以上」に変更されました。


追加された2項目は「育児・介護と就業の両立支援」と「高年齢従業員への配慮」。多様なライフステージへの対応がより強く求められます。

 

中小企業が来年「ブライト500」を狙う3ステップ

Step

ここからが本題です。2026年認定の発表は3月でしたが、次の認定(健康経営優良法人2027)の申請は2026年8月頃に始まります


つまり、いま動き始めれば十分間に合います。逆算で3ステップに整理しました。

 

ステップ1:健康宣言事業に参加する(2026年5〜6月)

中小規模法人部門の認定には、まず保険者(協会けんぽや健康保険組合連合会など)が実施する「健康宣言事業」への参加が必須です。

  • 加入している保険者のWebサイトで「健康宣言」の様式を確認
  • 経営トップ名で社内外に健康経営の方針を宣言
  • 社内に健康経営の担当者を1名以上指名

ここまでで、認定の入口に立てます。

 

ステップ2:健康課題を「数字」で把握する(2026年6〜7月)

ブライト500を狙うなら、自社の健康課題をデータで語れる状態を作ることが不可欠です。

  • 直近3年分の健康診断結果を集計(有所見率・再検査率など)
  • ストレスチェックの集団分析結果を確認
  • 残業時間・有給取得率・離職率を集計

この段階で「自社のいちばん大きな健康課題は何か」を、社内で言語化しておきます。

 

ステップ3:施策を「設計→実行→記録」する(2026年7〜10月)

ブライト500では、選択項目の16項目以上をクリアすることが目安となります。代表的な項目は以下の通りです。

  • 食生活改善(食事補助、栄養セミナー など)
  • 運動習慣の定着(ウォーキング企画、フィットネス補助 など)
  • 心の健康保持・増進(ストレスチェック後の集団分析活用、相談窓口 など)
  • 女性の健康課題への対策
  • 仕事と治療の両立支援
  • 育児・介護との両立支援
  • 高年齢従業員の体力に配慮した働き方

ここで重要なのは、「やった」だけでなく「記録した」状態にしておくこと。


申請書には「いつ・誰が・何人を対象に・どんな効果があったか」を書く欄があります。日々の取り組みを写真・参加者数・アンケート結果でセットで残しておくと、申請時に圧倒的に楽になります。

 

注意点・よくある誤解

Stop

健康経営の認定取得を進めるうえで、現場で繰り返し起こる誤解を3つだけ。

 

「お金をかけないと取れない」は誤解

ブライト500認定企業の中には、ウォーキングイベントや健康情報の社内共有といった、ほとんどコストゼロの取り組みを継続している企業が多くあります。


重要なのは「予算規模」ではなく「経営トップの本気度」と「継続性」です。

 

「人事担当が一人で抱える」と続かない

健康経営は、人事だけの仕事ではなく経営課題です。


経営会議で議題に上がっていない・KPIが設定されていない状態で人事が一人で進めると、たいてい途中で失速します。最初に経営トップを巻き込むことが、結果的には一番の近道です。

 

「認定がゴール」ではない

認定は通過点であり、目的ではありません。


本来の目的は、従業員のパフォーマンス・エンゲージメント向上を通じた企業価値の向上。認定はそれを可視化する手段に過ぎない、という前提を社内で共有しておくと、施策がぶれにくくなります。

 

おわりに

2026年3月9日に発表された健康経営優良法人2026は、認定2.7万社の大台に乗りました。


次の認定(2027年3月発表)の申請は2026年8月頃に始まります。今がちょうど準備を始めるタイミングです。

 

自社の健康経営、まずは現状把握から始めてみませんか。

 

 

株式会社アスカゼでは、宮崎の企業向けに健康経営支援サービス「ウェルネス保健室」を提供しています。

 

保健師・産業カウンセラー・理学療法士等と連携し、健康課題の把握から施策づくりまで、認知取得を維持するための、実践的なサポートをいたします。

 

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